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悦楽!地獄? 中央アルプス 正沢川 細尾沢遡行 2012.8.26、27 前編

不完全燃焼で終わった先週の山行に鬱々としていた時、山仲間のO氏に連絡すると週末にアルプスのどこかのピークを踏んでこようと考えているとのこと。

それならば、O氏新調のウェーディングシューズ(ソールはアクアステルス)の試しがてら沢登りはどうかとお誘いしました。

二つ返事でほいほいと乗ってきたO氏、全く何も考えてないですね!全く嬉しいですね!

で、行き先ですが、

・3000m級のピークに突き上げること
・沢中でビバークできること
・山中一泊で行けること
・荷物が重くなりそうなので登攀要素のあまりない沢

から候補を選ぶことに。

南アルプス甲斐駒黄蓮谷、中央アルプス中御所谷、中央アルプス細尾沢と候補が挙がりました。

黄連谷は甲斐駒からの下りがしんどそう、中御所谷はビバークして登る沢でない…

ということから、細尾沢に決定!

細尾沢?よく知りません…

ネットで調べると木曽駒ケ岳(2956m)に突き上げるようですが、やれアプローチのゴーロ歩きにうんざりとか、倒木で荒れた渓相とか、核心部があっという間に終わっちゃったとか、何ともぱっとしない話ばかり。

でも良いのです。今回のメインイベントは沢中でのビバークで、

焚火を囲んで日本の将来を語ろう!

ということですから。
日程は変則的休みの26日、27日に決行となりました。はてさてどうなることやら…

細尾沢


8月26日(日
早朝5時に京都出発、一路木曽駒高原スキー場に向かいます。
前日はネットでエロサイトサーフィン調べ物していて寝たのは2時半、ほとんど寝てないけど、やけにハイテンション、先が思いやられます。

4時間かけてやっとスキー場跡に到着。準備を済ませて9時半出発です。
天気は快晴!絶対的沢登り日和は日頃の行いの良さがうかがえます。
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しばらく林道を進むと福島Bコースの登山口を過ぎて幸の川の橋を渡ります。
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その先10分ほどで写真のような立派な道標が。沢登りコースって地図にのっていないけど何なんでしょう?
ローマ字で「Sawanobori」って書いてあるけど外人さんには分からんとおもうけど…
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と突っ込みを入れつつ、沢登りコースへ。
踏み跡の左手には正沢川が流れています。踏み跡が怪しくなってきたあたりから入渓。
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しかし、暑い!このピッチ後半から滝のような汗。心臓はバクバクするし、ペースも上がらない。
典型的なバテの症状です。おいおい、まだ1ピッチ目やん。
1時間歩いたとこで休憩。O氏曰く、顔が真っ青になっていたらしい。

2ピッチ目も汗は噴き出すばかり、足は進まず四つん這いでゴーロを越えていく。
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30分程進んだところでO氏が「中止して戻る?」と心配顔で声をかけてくれます。
「うん」と可愛くうなずきたいところをぐっと我慢して、「大丈夫やし。もうちょっと様子見るわ」と応え、スニッカーズと塩飴と水分を大量補給。

3ピッチ目になるとようやく汗もかかなくなり、調子が戻ってくる。
さっきまでのバテは何だったのだろう。遅くまでのエロサイトサーフィン調べ物がたたったのかも…

まだまだ正沢川のゴーロは続きます。
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そんなこんなで4時間、右岸から写真のさみだれ滝が流れ込んでくれば間もなく細尾沢の出合いです。
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やっと細尾沢出合。長かった~!確かに細尾沢は倒木が目立ちなんかぱっとしない渓相です。
写真右手の沢が細尾沢。
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やっとこさスタートラインですね。この頃には体調は完全復活しました。
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細尾沢で最初に出迎えてくれるのが5m滑滝です。ここは右岸を登ります。
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ところで、今回は二人ともアクアステルスソールのウェーディングシューズなのですが、この沢の濃い黄土色の苔には全くグリップが効きません。
薄黄色の苔や乾いた岩には吸いついてくれるのですが…

ということで、苔の色を見ながらステップを選ぶ必要がありました。

滑滝を越えてしばらく進むと、本日のハイライト、細尾大滝40mのお出ましです。
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細尾大滝の両岸は垂壁で直登はどこかの命知らずに任すとして、さっさと高巻きします。
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高巻きルートは何種類かあるらしいのですが、大滝左岸にあるルンゼを登り、不安定な垂壁をトラバースしさらに尾根を高巻いて沢に戻るというのが一般的?なようです。
まぁ、出たとこ勝負でルンゼに取りつきます。
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ルンゼから垂壁のトラバース。ここでロープを出しました。
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トラバース後、さらにトラバースする踏み跡もありますが、先が厳しそうなので、ぐずぐずのルンゼを1ピッチ登ります。
ようやく沢床が見えたので2ピッチのトラバースで大滝の2段目の上に降り立ちました。
偵察したりなんやかんだでこの高巻きに1時間かかったというのは企業秘密なので内緒ですよ!

大滝2段目の落ち口から
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もう5時前なので、今日のサイト地を探さなければなりません。
大滝上はやさしい小粒の滝が連続します。
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このひょんぐり滝4mを右から巻いたところに絶好のビバークポイントがありました。
ここなら雨で増水しても流される心配はありません。
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早速、ホテル細尾の設営。簡単に整地してタープを張ります。
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バテたり、復活したり、巻いたり、トラバったりの大忙しの一日だったので何はともあれディナーの準備。って私はラーメン、O氏はレトルトカレーですが。
でも塩分の抜けた体にラーメンのうまいこと!
細胞の隅々までラーメンの汁が行き渡ります。(どんな細胞やねん!)
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そしていよいよメインイベントの焚き火です。
新聞紙を持ってきたのですが中々手強く、テーピングのテープを火種にしたりしてようやく着火。
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下戸の私はコーヒーを、O氏はウイスキーをちびちび舐めながら、日本の将来を熱く語る…訳もなく、今日の山行や次の山行、昔の思い出話などに花が咲くのでした。
焚き火で濡れたものも体も心も温まり、なんとも優雅な気分に。
お金をかけなくてもこんな贅沢ができるなんて、山をやっていて本当に良かったとしみじみ思います。
永遠に続いて欲しい時間だけど、日々の暮らしがあってこそ際立つ時間なんだとも思う。

そしてホテル細尾(なんかラブホっぽいね…)の夜は更けてゆくのでした。
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至福に包まれ眠りについた彼らを待ち受けるものは…
はたして駒ケ岳山頂に無事辿り着けるのか…
そして最後に待ち受ける落とし穴。

激動の二日目は後編につづく…


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おすすめの山岳図書 ~ノンフィクション編 その7

・大いなる山大いなる谷 志水 哲也 ★★ (あなたが沢ノボラーなら★★★)

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志水哲也氏は現在、山岳写真家、山岳ガイドとして活躍されていますが、本書は彼の若き日の山行を綴った青春の記録です。

将来の目標を見失っていた高校時代、山との出会いにより生きる糧を見出します。
それから山へ、沢へ、岩壁へとのめり込んで行くわけですが。

本書は

・山  - 17歳の時の夏季 北アルプス全山縦走(42日間)
・渓谷 - 黒部の谷 全沢25本トレース(1986年、1987年)
・岩壁 - 谷川岳衝立岩単独、ドリュー南西岩稜単独など
・山稜 - 冬季南アルプス全山縦走、冬季知床半島全山縦走など

の4部構成となっています。

中でも本書の半分近くを占める「渓谷-黒部の谷Ⅰ、Ⅱ」が凄まじい。

志水氏は1986年に宇奈月温泉、1987年に黒部湖畔のロッジくろよんにそれぞれ、のべ3カ月以上投宿し、黒部の谷を隈なくトレースしました。
驚くべきことに、そのほとんどを単独でこなしています。

情報の少ない未知の険峪に単独で挑む精神力と技術には脱帽します。

圧巻は「幻の剣沢大滝」を含む剣沢単独遡行で、9日間に渡るルート工作を経て2ビバークでこれを成し遂げています。

全ての記録に詳細な遡行図が添えられていて、沢ノボラーには堪りません!
自分には到底そこまでの技術や体力はありませんが、手記を照らし合わせて読むと思わず疑似体験で手に汗をかいてしまいます。

遡行記録としても価値があるものですが、綴られる手記には志水氏の山への思いが静かに、しかし熱く綴られており、読む者を飽きさせません。

「出発前はいつも不安に襲われる。一方、今度はどんな滝が潜んでいるかと考えるといつも何らかのときめきを覚える。そして黒部の谷はその期待を裏切らない。
驚嘆する景観を前にして、僕はときとして立ちすくむ…」


何度も読み直しました。そして読むたびに憧れの沢へいざなわれます。


大いなる山 大いなる谷大いなる山 大いなる谷
(2004/06)
志水 哲也

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とほほの水俣乗越 ピストン?? 

なんとも変なタイトルですが…

8月17日、横尾をベースに槍ヶ岳周回を目論んで単独で上高地入りしました。
お盆前から太平洋高気圧の勢力が弱まり、大気の状態が不安定でした。
週末は回復傾向にありますが、天気が気に掛かります。

河童橋からの岳沢上部は雲に覆われています。
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18日夜半に横尾を出発し、

大曲⇒水俣乗越⇒天上沢⇒北鎌沢右俣から北鎌尾根⇒槍⇒槍沢⇒横尾

のルートで周回する計画です。15時間以内なら上出来でしょうか。


17日は横尾のサイトに着くまでは天気はもってくれたのですが、テント設営後、土砂降りの雷雨。
水はけのいい横尾のサイトでもテントの下にたぷたぷと水が浮く状態でした。
雨が小ぶりになっても雷鳴はずっと続いていました。

こりゃあかんかもしれんなぁと諦め半分、目覚ましを2時にセットして8時就寝。
近くででかい声で話すパーティーがあり、中々寝付けない。
夜半も時折テントを叩く雨で目が覚めました。

目覚ましに起こされて空を見上げるとなんと満天の星空、
慌てて出発の準備をしました。

今回はテントを設営したまま、素早く周回してこようという目論みです。

なので、足周りはトレイルラン用シューズ、持ち物は薄手のフリース、レインパーカー、シュラフカバー、ヘルメット、行動食は火を使わずに食べられる物にして軽量化を図りました。
水はハイドレーションに1.5L、北鎌沢でさらに1.5L補充の予定。

午前2時半、横尾出発。でも、脳裏には昨日の雷雨が引っ掛かってます。
天気予報も18日はまだまだ不安定のよう。
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ニの俣あたりまでは普通にランニングで抜けようと思うのですが、道は濡れてぬかるみ、思うようにペースが上げられません。

大曲に4時着、ここから水俣乗越へ400mの登り。
空はまだ星空ですが、東方面には雲が流れてきているようです。
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水俣乗越に着くころにはかなり明るくなってきました。
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天上沢方面を見ると、薄曇りです。
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ここで結構悩みました。

・ここから北鎌尾根経由で槍ヶ岳まで抜けるのに7~8時間くらいかかりそう。
・この時間ですでに高層部に雲が発生。午後からは雷雨の確率がけっこう高い。
・それに、水俣乗越の登りが結構苦しくて調子はいまいち。ペースダウンは確実。
 (乗越に着いたときにちょっと吐いてしまいました)

まぁ、この調子が「いまいち」というのが一番の理由ですが、ここで今回は諦めることにしました。

北鎌はエスケープがないので独標を越えれば槍ヶ岳に抜けるしかありません。
稜線で雷雨に遭えばビバークの可能性もあります。

色々と不安を抱えて進んでも楽しくないし危険なので、あっさりと撤退しました。


横尾に戻って休憩、テント撤収後、蝶ヶ岳への登山道を槍見台まで登り、槍方面を偵察。
10時頃だと思うのですが、すでに槍ヶ岳は雲に包まれてました。
この様子だと北鎌尾根はガスの中だと思います。
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上高地に向かう途中から雷鳴が響き、ニ度、落雷の大きな音がしました。
徳澤からは本格的な雨に。

上高地に着くころには晴れ間も見えてきました。
岳沢からは畳岩尾根が綺麗に見えています。
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平湯に戻ってから知ったのですが、昼過ぎに槍ヶ岳山頂で落雷により1名亡くなったとこのと。
ご冥福をお祈りします。
でも雷雨の中、なぜ山頂に向かったのでしょう?
槍ヶ岳山荘は雷警報システムが充実しており、登頂禁止の警告は出ていたと思いますが…

ともあれ、情けない山行になってしまいましたが、天候と体調を見極めて再度トライしたいと思います。

もう少しトレーニングしないとダメですね、とほほ。


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山頂で聴きたいプログレ

登山をしたことのある人なら分かると思いますが、長い登りや困難なクライミングを経て立った山頂には特別の思いがあります。

ということで、今回は山頂を極めた時に聴きたいお勧めのプログレを選んでみました。

なんともコアなテーマですみません。音楽を聴くにしても、普通、プログレは選ばないか…(^^:

でも、苦労して登りついた先の山頂からの雄大な景色を眺め、心地よい疲労感に浸るにはシンフォニック系の雄大なプログレがぴったり来ますよ!特に単独なら。
一度試してみてください。

お勧めの一曲目はPFMの「World Became The World」

PFMはイタリアのプログレッシヴバンドですが、この曲は彼らの最高傑作(と私は思います)のサードアルバム「蘇る世界」の英語版に収録されています。
実は、彼らのデビューアルバムに「九月の情景」として収録されていた曲のリメイクです。
なので「蘇る世界」のイタリア語版には収録されていません。

確かにKingCrimson色が強く、「蘇る世界」の他の曲とはちょっと親和性に欠けてますね。

やさしく語りかけるようなボーカルの静かな世界から一転、壮大なサビへの盛り上がりは地球創生のイメージで感動を呼びます。
シンフォニックプログレの名曲だと思います。

山頂からの雄大な景色を眺め、原初の地球に思いをはせてください。
きっと感動しますよ!

PFM - World Became The World

携帯用動画リンク


ニ曲目は桜庭 統(さくらば もとい)の「Beyond The Beyond」から「新たな旅立ち」です。

桜庭は数多くのゲーム音楽を作曲しているキーボードプレイヤーですが、RPG「Beyond The Beyond」のトラックを再アレンジして自らのアルバムとしてリリースしています。

アルバム「Beyond The Beyond」は印象的なテーマといい、精緻で美しいメロディと展開いい、彼の最高傑作だと思います。
なんとメロトロン使ったりして、思いっきりプログレしてくれてます!
残念ながらCDは絶版で入手できませんが。

「新たなる旅立ち」はアルバムの最終章を飾る曲ですが、長い旅の果てに辿り着いた安息の地を思わせる旋律がきっと疲れた体を癒してくれます。

山頂から夕陽を眺めながら聴くと最高かも!

桜庭 統 - Beyond The Beyond 新たなる旅立ち 
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情熱のピアニズム - ミシェル・ペトルチアーニ

ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー映画が公開されるという情報をコメントに頂きましたので、ご紹介。


ミシェル・ペトルチアーニに関しては過去記事「ミシェル・ペトルチアーニのこと」に書いていますのでご一読を。

ペトルチアーニ生誕50周年なんだ。
ミュージシャンの50歳、普通なら油の乗り切った円熟期ですよね。
ほんと、夭折が惜しまれます。

でも、短い生涯であるが故に輝くものもあるのでしょう。
ペトのピアノはそれだけの密度とエネルギーを持ってます。


関西では大阪と神戸の2か所で上映予定です。公開は10月から順次とのことでまだ未定みたいですね。

これは是非観に行きたいなぁ!

情熱のピアニズム トレーラームービー
携帯用動画リンク

予告編見ただけで、彼の生きざま、人となりが伝わってきます。
トレーラー後半のバックに「September Second」が流れてて、ちょっと嬉しかったかも(^0^)



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プロフィール

ひろろ

Author:ひろろ
Thrill‐Seeker
刺激が行動原則です。
クライミング、沢登り、ランニング、パラグライダー、音楽、アコギ、ロック、プログレ、画像処理、カラーサイエンス…京都からの発信です。

このブログはリンクフリーです。
どうぞご自由にリンクしてください。
連絡頂ければ相互リンク致します。

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