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山岳遭難のプロセス

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今まで幸いにして山で遭難したことはありません。

しかし、遭難一歩手前の状況に陥ったことは何度かあります。

今から思えば、どうしてそんな状況になったのか不思議な気がするのですが、ほんのちょっとした行動のかけ違いが遭難への入口へと進むことになります。

随分昔の話になりますが、実体験をもとに遭難に嵌り込むプロセスを辿ってみます。



社会人一年目の秋、友人と二人で剱岳北方稜線の縦走を企画しました。

今回は軽量化を図るため、小屋泊まりとし、費用節約のため、自炊の食糧持参です。
テントやツェルト、登攀用具は携帯しなかったけど、シュラフは持参しました。

計画では、

入山初日、立山から室堂経由で剣山荘泊
二日目に剱岳を越えて北方稜線を縦走し、小窓雪渓を下って池ノ平小屋泊
三日目は阿曽原から欅平まで水平道を辿り、トロッコで宇奈月⇒富山⇒帰京

というものです。

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今回の山行は初日から晴天に恵まれ、二日目も快晴で明けました。

順調に剱岳を越え、北方稜線に向かいます。
池ノ谷ガリーの入口でちょっと迷いましたが、なんとか三ノ窓のコルへ。

このあたりからガスがかかってきました。

小窓王の岩壁基部を斜めに登り小窓王の肩へ。
ガスはかなり濃くなり視界は10m程だけど、はっきりした踏み跡もあり、迷わず進みます。
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その時、さーっとガスが切れ、右手下方に小窓雪渓が見えてきました。
踏み跡は小窓尾根へ続くものであり、小窓雪渓へは少し手前から下らなければならなかったようです。
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ガスが切れなければそのまま小窓尾根に入り込んでいたかもしれません。

教訓1:踏み跡は誰かが歩いた痕跡ではあるが、進みたい方向とは限らない。

小窓雪渓は傾斜も緩く、シュルントもないのでアイゼン、ピッケルなしでも問題なく下れます。
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事前に読んだガイドには池ノ平小屋へは小窓雪渓を下り、右岸に滝が見えたら左岸を50m程登ってトラバース道へ出るとありました。

ちょうど滝が見えたあたりの左手に薄い踏み跡のあるルンゼが見つかり、何の迷いもなく登り始めました。

ルンゼは登るにしたがい急峻になってきて、3m程のギャップに行く手を阻まれました。

ここでちょっとおかしいと思ったのですが、ギャップを越えたあたりに岩に埋め込まれた鉄筋が見えたので正しいルートと信じてギャップを越えたのです。
(未だに何のための鉄筋かわからない)

Ⅳ級程度のクライムですが、登ってる最中は

「ああ、これを越えたら下れないなぁ…」

と感じました。

教訓2:下降用具がない場合、下れないギャップは登らないこと。

ギャップを越えたところで、やはりこれはおかしいと思い逡巡していると、友人が

「ちょっと上を見てくるわ」

とブッシュを登って行きました。

ふと左手を見ると、傾斜の緩いランぺがあり、それを辿れば下れそうです。
引き返そうと友人に声をかけたのですが、返事がありません。

何度もコールしたけど返事がないので止む無く追いかけて登ることにしました。

やっと声が届く距離に近づいたのですが、どうも下ることができない様子です。
仕方がないのでそこまで登ってやっと合流しました。

教訓3:出来る限りパーティーは分断しないこと。少なくとも姿が見えるか声が届く範囲で。
山ではちょっと尾根を回り込んだだけで全く声が聞こえない場合があります。


合流して、

「これ、ルートちゃうで!」
「そやけど、もう引き返せんわ…」


と今後の対応を相談。

地図を見ると池ノ平山から派生する南側の尾根に取り付いている模様です。

池ノ平山東側からは扇状に二つの尾根が伸びているのですが、地図の地形から推測すると尾根の間は谷状ではなく、緩傾斜の斜面で繋がっています。
下れない以上、登るしかないのですが、尾根を越えれば登山道のあるもう一つ北側の尾根へ容易にトラバース出来るだろうと思いました。

日没で薄暗くなる頃、灌木やブッシュを掴む腕力登攀でやっと尾根へ登り抜けたました。
友人は尾根にでれば登山道があるものと思っていたらしく、かなり落胆していました。

期待していたトラバースの状況は暗くて確認できません。

教訓4:情報の正しい共有が大事。とくにメンバーが疲弊していた場合、期待とそぐわない状況に陥った時、いっぺんに気力が失われて動けなくなる場合もあります。

どっちにしても暗くなったのでこれ以上の行動はできません。
尾根は酷いブッシュですが、なんとか二人が横になれるスペースを見つけてビバークの準備に入りました。

教訓5:道迷いした場合の日没後の行動は厳禁。

準備と言ってもツェルトもないので、シュラフを広げるだけですが。

弱気の虫が出た友人は

「これってすでに遭難ちゃう?」
「いや、単なるビバークやろ。騒ぐ程やないって」

と私。

と言いつつも、遠く富山方面の街の灯りを見ると普段の安全な生活とのコントラストで寂寞感がひしひしと湧いてきます。

幸い、満天の星空で無風状態、食糧もガスもふんだんにあるので、不安な中でも結構優雅なビバーク。
実際、混雑した剣山荘より余程快適に熟睡できました。

アルプスの10月はいつ雪が降っても不思議ではないです。
もし雨や雪に叩かれていたと考えると寝るどころではなかったですね。

教訓6:少なくともバリエーションルートに向かう場合、雨具とシュラフ(シュラフカバー)のみでビバークする自信がないなら、ツェルトは必携ですね。

不安な一夜というにはかなり熟睡して目覚めれば快晴!

剱稜線の東面がモルゲンロートで赤く染まります。真っ盛りの紅葉と相まってそれはもう凄まじい景観でした。この場所からでないと眺められない景色です。
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パッキングを済ませ目論見のトラバースを偵察。

案の定、向こうの尾根へはだだっ広い平原状の斜面で繋がっています。
朝露で滑りやすい草付きを慎重にトラバースし、尾根へ一登りすると立派な登山道に出ました。

この時の解放感は例えようもありません。一気にドーパミンが出たような多幸感に包まれました。

あとはのんびりと池ノ平小屋へ向かうだけです。
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幸い「遭難」までには至りませんでしたが、雨や雪に見舞われていたら…、トラバースの目論見が外れていたら…、無理に下って滑落していたら…、と考えると「一歩手前」だったのだと思います。

山ではほんのちょっとしたきっかけで道迷いに陥ってしまいますが、まず第一は不安に感じたら正しいと分かっている場所に引き返すことでしょう。

それでも迷ってしまったら、深みに嵌らないように冷静に行動してください。
パニックは最も傷口を広げてしまいます。

それと、ロープ一本と技術があれば大抵の窮地は脱出できます。
考えてみれば沢登りって道迷いの連続からの脱出みたいなもんですから。


これが低山や縦走中心の方にもロープワークを身につけて欲しいと思う理由です。
径8mm、長さ20mでよいのでロープを携帯すれば安心ですよ。

ではでは、皆さんの安全な登山をお祈りいたします。
来年も安全で楽しい登山ができますように!


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ブログ始めて早、一年…

このところメチャクチャ忙しくてブログが全然更新できていませんでした。
本日仕事納めでやっと一息…

フリーランスで技術顧問や技術コンサルティングをしてますので、稼げるときに稼いでおかないと明日はどうなるか分からない身ですので。

気がつけばブログを始めて早1年経ちました。
思いつくままに駄文を書き散らかしてきましたが、今まで訪問して頂いた方にただただ感謝します。

私自身、山行計画の立案時や、ギターで弾きたい曲の情報などは誰かしらのブログ記事を参考にさせて頂くことが多く、大変ありがたく思ってました。

ブログを始めた理由の一つは、そういった情報を受けとるだけでなく、自らも提供することで少しでも誰かのお役に立てればと考えたからです。

ただ、書き始めてみると、誤った情報を発信しているのではないか(特に技術的内容)という懸念から、裏付けの情報を検索して確認してから記事をアップするという、何かしら本末転倒の状況であったのも確かです。

そういう作業の中で自分の知識の整理や再確認や補強ができ、また新たな発見もあるといった副次的な効果もありました。

これからも玉石混交の情報が渦巻くネットの中で、少しでも確度の高い情報を発信していきたいと思っています。



なんか所信表明みたいになっちゃいましたが、まぁ、ブログはあくまでもブログ、肩肘張らずに思いのまま綴るのがいいんでしょうね!

これからもあることないこと、だらだらと書き綴るとは思いますが、また覗いてやってください。

ちょっと早いですが、皆様、良いお年をお迎えください。


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やっぱりアコギが好き

アウトドアもいいんだけど、今回はインドア系で久しぶりにギターネタでも。

アコースティックギターは気が向けばポロポロと爪弾いてるのですが、漫然と弾いているだけで中々上達しません。

ということで、手持ちのアコギ(アコースティックギター)をちょっとご紹介。

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左:Lakewood M32CP-PF2 トップ:スプールス単板 サイド、ボトム:ローズウッド単板

アコギを再開しようと10年程前に購入。たしか30万円弱だったような…よく覚えていません。
色々試奏した中で全体のバランスがすごく良く、高音もサスティーンが利いた伸びがあり、一発で惚れ込んで購入しました。
ジャカジャカ系にはちょっと向かないけど、フィンガーピッキングにはピッタリ!
ネックが若干太目なので、最近の細いネックのギターから持ち替えるとちょっと違和感ありです。

右:YAMAHA FG-360 トップ:スプールス合板 サイド、ボトム:コーラルローズ合板

私が中学生の時に小使いを貯めて買った2台目のギター。いわゆる「グリーンラベル」です。
この時代のギターはとにかく丈夫で、弦を張りっぱなしで長年放置していたにも関わらず、ネックのそりもトップの浮きも一切ありませんでした。
それに合板とは思えないほど太く、伸びやかに鳴ってくれます。
ボディーもかなり響くので、タッピングやパーカッシヴな演奏に向いてますね。
  
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左:Takamine DSP110 トップ:スプールス合板 サイド、バック:マホガニー

これは実は息子のエレアコです。息子はベースにいっちゃったので、埃を被ってるのもかわいそうなので引き取ってあげました。
ボディーも薄く抱えやすくて弾きやすいのですが、生音はダメダメ。
但し、デジタルアンプ内蔵なので単体で色んな音づくりができてアンプを通せば別物に化けてくれます。チューニングメーターも内蔵で便利。

右:YAMAHA サイレントギターSLG110

これは夜中の練習用に買いました。
ギターって自分では小さな音で弾いているつもりでも、気がつけば結構大きな音弾いてしまってたりします。
ボディーがないので生音は普通のギターの1/10以下、夜中はヘッドフォン装着で強いピッキングでも練習できます。
アンプを通した音も中々面白い音ですね。低音と高音のバランスがちょっと悪いかな。



まぁ、こんなギター達を抱っこして、今まで暗譜した曲を忘れない程度には弾こうと思っているのですが、新たな曲に挑戦するモチベーションは中々出てきません。
そんな中、ちょっとコピーしてみたい曲があったので、只今、耳コピで楽譜に落としてます。

夕波 小松原 俊

携帯用動画リンク

小松原特有の哀愁溢れるトーンのバラードでこの季節にぴったりですね。

チューニングはモーダルD(DADGAD) Capo2Fって分かってるので音を拾ってる最中です。

今はまともな録音環境がないですが、また機会があれば演奏をアップしようかな。


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プロフィール

ひろろ

Author:ひろろ
Thrill‐Seeker
刺激が行動原則です。
クライミング、沢登り、ランニング、パラグライダー、音楽、アコギ、ロック、プログレ、画像処理、カラーサイエンス…京都からの発信です。

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どうぞご自由にリンクしてください。
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