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おすすめの山岳図書 ノンフィクション編 その2

・Master Of Rock ジョン・ギルのスーパーボルダリング パット・アメント ★★★

およそどのような分野でもイノベータが存在し、彼ら、彼女らによって今まで考えもしなかった限界の扉が押し開かれ、それに続く者への道が作られます。

ボルダリングは「ボルダー(本来、氷河から押し出された標石の意味)」というそこらに転がっている大石を登るクライミングが語源です。
自然の脅威にさらされることのない、高々4~5mのクライミングでは、その興味はルートの難度に集中し、恐ろしく困難な課題が設定され試されたりします。

現在、ボルダリングはその手軽さや整った環境(室内壁)に恵まれ、ストイックな山岳クライミングとは別の「スポーツ」として多くの人に受け入れられています。

本書はそんなボルダリングの伝説的イノベータであるジョン・ギルのバイオグラフィーです。

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ギルは学生の頃、体操競技に携わるかたわら、ボルダリングに興味を持ち始め、1950年代半ばからそれにのめり込みます。
当初は登山ともクライミングとも認められず、単なるお遊びと思われていたボルダリングですが、用具を駆使する登攀から、フリークライミングへと世間の興味が移るに従い、ギルも一躍脚光を浴びます。

ギルは当時、アメリカの最難ルートのグレードが5.9程度だった1961年にニードルズ山群にある「スィンブル」(5.12)の9mのフリーソロ初登を成し遂げています。
それは発想の転換と驚異的な身体能力、精神力が結実した証でした。

本書は豊富なボルダリングの写真とともに、アメントがギルにインタビューする体裁で、伝説のボルダラーの姿を浮き彫りにしています。

本書に収められた、まるで重力から解き放たれた空中遊泳のようなボルダリングシーンを見るにつけ、限界、不可能の意味を改めて考えさせられます。

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今でこそ、さらに困難なボルダリングプロブレムはいっぱいあるでしょうが、イノベータとして彼が開いた扉の意味はとてつもなく大きいでしょう。
「誰かが登れた」という事実は後に続く者にとって、最も大きなバックアップになります。


残念ながら、本書はすでに絶版で入手も困難(高価?)になっています。
でも全てのボルダラーに読んで欲しい一冊です。

日本では1984年初版 訳者は平田紀之です。 (山と渓谷社刊 定価1800円)


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