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LED照明ってどうよ? - その1

以前、色を観察する上で最も重要なのは「照明光」という話をしましたが、最近、照明用光源として白色LEDが注目され、家庭にも導入が進んでいます。
また、液晶TVのバックライトに白色LEDが採用されたモデルも色々あります。

で、白色LEDってLED自体が白く光っていると思っている人もいるのではないでしょうか?

いえいえ、そんな単純な話ではないんですよね~

ではでは、今回のカラーサイエンスは照明、特に白色LED照明についての話です。

・色の数値化 ~「白く見える」ということとは?

色が白く見えるということは、可視光線のスペクトルに偏りがなく、揃っているということなのですが、この「偏りがない」という条件は実は目、脳の色認識特性との関係で決まります。

目の色認識特性は、被験者に対して、ある波長の光の色(テスト光)をRGBの基準光の組み合わせで同じ色に見える条件をプロットしていくという実験で定義されており、これをrgb系等色関数といいます。

(グラフのマイナスの部分は、その波長の色を合わせるとき、RGBをどのような組み合わせにしても等色できなかったため、テスト光側に基準光を加えて等色したということを意味します。)


11481_02.jpg  rgb等色関数


rgb系等色関数は負の値を持つため扱いにくいので、これを変換して定義しなおしたものが、CIE xyz系等色関数と呼ばれるもので、下図のようになります。

    irokansu.gif

この可視光に対する特性と目に入ってくる光の成分(スペクトル)が掛け合わされた結果がさまざまな色の定義になります.(色の数値定義)

掛け合わされた結果をそれぞれX,Y,Zで表わすと、標準光源の白色点は

D50標準光源 : X=0.9642  Y=1.0 Z=0.8249
D65標準光源 : X=0.95046 Y=1.0 Z=1.08906 

で定義されています。

要するに、スペクトルが異なる照明であっても、等色関数と掛け合わせた結果、上記数値と同じ値が得られるなら、標準光源と同じ白色に認識されるということです。
(白色が同じであっても、この照明で照らされた物体の他の色が同じ色再現になるとは限りません。)

この白色の定義は色温度と呼ばれ、色管理の基本となります。

白色点や様々な色の座標を図示する場合、X、Y、Zだと図示しにくいので、

    x=X/(X+Y+Z) y=Y/(X+Y+Z) 

としてxy座標に色空間をプロットしたものがxy色度図で、この座標値で色の表現を通常行います。
(xy色度図には明るさの成分は表現されていません。)

先ほどの標準光源の白色点はこの色度図では次の座標で定義されます。

D50標準光源 : x=0.3457 y=0.35854
D65標準光源 : x=0.3127 y=0.3290 


       xyshikidozu.jpg


・白色LEDのスペクトル

LED自体はレーザーほどではないにしても、比較的狭い範囲のスペクトルでしか発光することができません。すなわち、LED単体で先ほど数値定義した白色を作り出すことはできないのです。

5304s.gif


  左の図は緑色LEDのスペクトル例ですが、
  図のように狭い波長範囲で発光しています。
  波長550nm付近にピークを持ちます。
  
  






では、白色LEDはどのようにして白色光を作り出しているのでしょうか?

実は、白色LEDは青色LEDとその光を受けて発光する蛍光体の組み合わせでできています。

blueled.jpg

最も一般的な白色LEDは蛍光体として黄色を発光するYAG蛍光体が使用されており、

青色(LED)黄色(蛍光体)⇒ 白色

というように、青とその補色の黄色の足し合わせで視覚的な白色を作り出しています。(疑似白色光)
このスペクトルと等色関数を掛け合わせた結果がそのLEDの白色点の値になります。

whitespec_a.jpg

この白色LEDの発光スペクトルを見ると、シアン(青緑色)と赤色の領域が成分として少ないのがわかります。分かりやすく言えば、この領域の色は鮮やかに再現することはできないということです。
たとえ白色点が標準光源などと同じでも色の再現は異なるということになります。

例えば、食卓でこのスペクトル特性を持つ白色LEDを使用した場合、料理はおいしく見えないかもしれません。

標準光源と比較した場合の色の再現性を評価する指標に「演色評価数Ra」というのがあるのですが、一般の白色LEDではRa=70~75程度で、一般の蛍光灯とそう変わりませんが、赤の再現の弱さが目立ちます。

この欠点を補うために、緑、赤を発光する蛍光体を用いた白色LEDも開発されています。
このような白色LEDではRa=90以上のものもあります。

whitespec_b.jpg

上図は高演色性白色LEDのスペクトルで、シアンと赤領域の成分が改善されているのがわかります。

以上、白色LEDの仕組みと照明としての特徴を説明しましたが、次回は白色LEDの応用機器について解説します。


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