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おすすめの山岳図書 ~小説編 その4

・遠き雪嶺 谷 甲州 ★★

昭和11年 日本初のヒマラヤ遠征登山で、処女峰ナンダ・コート初登頂を目指す立教大山岳部の苦難と栄光を描いた事実に基づいた山岳小説。

積雪期の北アルプスで尖鋭的登山を実践していた立教大山岳部。
彼らにとって国内でのバリエーションルートの延長線上に海外の山=ヒマラヤを目標に据えるのは当然の流れであった。

ヒマラヤへの夢を抱きつつ、積雪期のアルプスで幕営や極地法のテストを実践する日々。
そんな中、ヒマラヤ遠征の計画が具体化する。

だが、遠征準備は先ず資金集めで躓く。
当初の遠征隊規模の縮小を余儀なくされるなか、装備のテストと手配、渡航手続き、物資輸送、勝手分からぬ現地でのシェルパ、ポーターの雇用、そしてキャラバン。

前例がなく、情報の少ない中、全て手探りで進める準備は苦難の連続であった。

一カ月を費やし第四キャンプを設営したが、天候に恵まれず一度は頂上稜線から止むを得ず退却。
そして、撤退の期限が迫る中、最後のアタック。その先にあるものは・・・



改めてパイオニアワークが如何に大変なことなのかを実感させられます。

ナンダ・コート自体は7000mに満たないヒマラヤでは小粒な山なのですが、当時の粗末な装備、少ない情報、未知の高所生理、悪天候との戦いなどを考えるとこの遠征登山が如何に画期的であったのかが覗えます。

戦争の暗い時代を挟んでいるとは言え、次の日本人ヒマラヤ登頂(マナスル)まで20年かかりました。



本書は事実に基づいているとは言え、筆者曰く、あくまでもフィクションとして脚色しているとのことですが、綿密な取材を重ねていることもあり、事実も大きく異なるものではないと思います。

小説は遠征隊員の浜野の視点で語られる臨場感溢れる描写が秀逸です。

ちなみに本遠征は立教大学のWEBページにも今なおトピックスとして掲載されています。

(以下立教大ページより無断転載 (^^;)
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