高雄・毘沙門谷 毘沙門滝で滑落してしまいました…の顛末

《事故報告》

毘沙門滝からの滑落は先に報告しましたが、自分の反省を含め、顛末をまとめます。

今回の事故は全く油断によるミスから発生したもので、言いわけの余地はありません。
初級の沢で流程も短いので、正直舐めてかかってたのも事実です。

毘沙門谷2



午後1時 高山寺の近くの観光駐車場で沢支度を整え、出発。
午後1時10分 毘沙門橋から毘沙門谷へ入渓。
P5181464s.jpg

最初の5m滝は水流左を直登。抜けあたりでホールドが細かくなるので慎重に登る。
P5181466s.jpg

続く4m、5mはいずれも水流をたやすく直登。このあとしばらく単調なゴーロ歩きとなる。
P5181467s.jpg

P5181468s.jpg

ゴーロを進むこと10分程で5m、15mの二段滝が現れる。
手前の5mは右岸から。
P5181469s.jpg

奥の15m滝は直登不能なので、右岸を小さく高巻く。
ほとんど触られた形跡のないぼろぼろの壁をモンキークライムで抜けるが、木が無くなる最後が悪い。
左岸のルンゼから高巻くのが一般的か?
P5181470s.jpg

その奥の5mは水流右を。容易。
P5181471s.jpg

この後、登山道が右岸から横切ってくる。しばらく平流を進むと、最後の毘沙門滝が現れた。
P5181473s.jpg


滝を観察すると、滝は中間部にバンド状の段差を持っており、これをトラバースすればそのまま右の草付きを経て上部に抜けられそう。

ちょっとシャワークライムになるが、気温も高いので、検討したルートを進むことにする。

トラバース地点までは何の問題もなく到達。
そのまま、バンドを横切ろうと水流を探り、しっかりしたスタンスと思って足を置いた瞬間、スリップしてそのまま滑落。

P5181474s2.jpg

あっという間の出来事で、とっさに体を反転し、滝を背にして滑り落ちる。
着水の瞬間、右足にすごい衝撃が来て、「ぐしゅっ」という鈍い音を感じた。


瞬間、これは骨折したなと分った。

その時はほとんど痛みは感じなかったけど、数歩歩いてみると、右足に全く体重を預けることができない。

事故発生14時5分。約7mの滑落。右足以外には外傷も痛む箇所もなし。

とにかく、落ち着こうと、水分補給し、今後の対応を考える。

 ・毘沙門滝の上は林道があり、そこまでは巻き道から登れるかもしれない。
 ・しかし、携帯の電波は入らないし、マイナーなルートで他の登山客にも
  出合えそうにない。
 ・ここまで沢登りで50分行程だったので、脇の登山道を下れば3倍程度の
  時間で下れるのではないか?
 ・国道に出れば、恐らく携帯も通じるだろうし、救急要請での収容も早い。


このように考えて、谷の脇の登山道を下ることにする。国道まで3時間を覚悟。

右足は少しでも加重をかけると激痛が走るので、浮かしておくしかない。

左足と杖にした枝2本でゴーロを越えていくが、遅々として進まない。
右足は何かに触れるだけで激痛。

やっとのことで登山道が横切る5m滝の上部まで這い進む。
登り15分の所、1時間かかった。左足だけでゴーロを進んだにしては上出来か?

しかし、腕と左足はパンパン。ここで水分とエネルギー補給する。

登山道はあまり踏まれていないが、ゴーロ歩きと比べるとずっと楽そうに思えた。

杖で支えて立って歩くと谷側に滑落する恐れがあるので、四つん這いになって進む。

困ったのが登山道をふさぐ倒木で、情けないほどこれが越えられない。
息が切れるけど、振り返るとほとんど進んでないのでがっかりする。

そうこうしている内に、車の音が聞こえ出し、登山道も下り気味になってきた。

膝も痛いので、四つん這いを止め、尻で滑る感じで下るが、これが一番楽でスピードも上がった。

ようやく眼下に国道を走る車が見え、何とかなったという実感が湧いてきた。

16時04分、救急要請。国道で収容後、高山寺観光駐車場で市内からの救急車に引き継ぎし、市内の救急病院まで搬送して頂きました。

お世話になった救急隊員の方に大変感謝します。ありがとうございました。



今回の事故は、自分の全くの不注意で起こしたもので、単独の沢登りにも関わらず、どこかに沢に対する慢心があったのだろうと思います。

家族にも友人にも心配をかけ、仕事にも支障をきたすでしょう。
昨日のブログを読んで、早速電話をかけてきてくれた友人も沢山いました。
迷惑をかける人もいっぱいいます。

今回は単独行のリスクと限界を思い知らされました。

ネットで調べると踵の骨折はやっかいそうなので、いつ山に復帰できるかは分かりませんが、今回の事故を教訓として安全な登山ができる日を目標に治療したいと思います。

やっぱり山が好きですから。



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いつも生々しく・・。

ネットや、テレビで遭難話を見たり聞いたりすると、その経験談はいつも生々しく、そして、恐ろしく、生きる事への執念を試されているかのように、過酷な状況に追い込まれたものばかりです。まるで、他人事のようにそんな話を聞いてしまう時もあれば、「もし自分だったら・・。」と背筋が凍る思いをする事もあります。難易度の高い山行を達成できれば、「武勇伝」となり、失敗すれば、「無謀な行為」と評されます。楽しい山の顔もたくさん知っていますが、怖い山の顔も少しは知っています。常に謙虚に山と対峙するべきですよね。最近、そう思います。とにかく、最悪の事態にならなくて良かったです。早々の回復を!そして、完全復活を!!

Re: いつも生々しく・・。

ご無沙汰ちゃん、コメントありがとう!

まったくその通りですね。
今回は幸いに痛めたのが右足のみ、しかも登山道も近く、山深くもなくで自力下山できました。
もし、両足痛めてたら…、背骨痛めて動けなかったなら…もっと山深かったなら…などと考えるとぞっとします。
復活した際は、今回の事故を教訓に常に謙虚に山に接したいと思います。

来週手術の予定ですが、既に復活に向けて筋トレしてますよ!
使わない筋肉は急速に落ちて、これがリハビリを長引かせる要因になるようですので。

山行レポならぬ、入院レポでも書こうかな?

またリハビリ山行、付き合ってください。

お久しぶりです

今晩は、お久しぶりです。

しばらくブログの更新もしていなかったし、他の人のブログも見ていなかったのですが、久しぶりでゆっくりとパソコンを前にしていたら・・・
何とひろろさんの滑落の記事が真っ先に目にとびこんできました。

手術も終えてこれからリハビリに入るとのことで、一日も早い回復、山への復帰を祈っています。

私も単独で行動することがほとんどなので、他人ごとと思わず教訓にさせていただきます。

Re: お久しぶりです

りゅうじさん、ご無沙汰してます。

そうなんですよ、やっちゃいました!
右足のみの怪我なんで、なんとか自力下山できましたが、身動きとれない怪我なら、
ニュースネタになりかねなかったですね(^^;

単独行はリスクもありますが、自由さも捨てがたいもんです。
慎重に見極めて楽しめたらいいですね!
りゅうじさんも怪我だけには気をつけてください。

私はあせらず復活をめざしてリハビリします。
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ひろろ

Author:ひろろ
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刺激が行動原則です。
クライミング、沢登り、ランニング、パラグライダー、音楽、アコギ、ロック、プログレ、画像処理、カラーサイエンス…京都からの発信です。

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